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NanoScience | Blog

東京で最もクールなラボ

弊社初のパートナーイベントと弊社日本のラボに設置されたProteoxS希釈冷凍機

Koichi Seo, Japan Country Manager

日本で量子の仕事に携わるには、今まさにエキサイティングな時期です。 オックスフォード・クオンタム・サーキッツ(OQC)は、このほどOQC Toshikoの設置場所として、データセンター企業であるEquinixが持つTY11を選びました。 OQCのToshikoは、Equinix相互接続サービスを通じて、世界で最もパワフルな量子コンピュータの1つにアクセスを提供しています。 オックスフォード・インストゥルメンツ・ナノサイエンスは、このシステムに希釈冷凍機を提供できることを誇りに思っています。

この夏、弊社は東京オフィスにおいてOQCとQuantum Machines(QM)と共に量子テクノロジーセミナーを開催しました。新しく設置されたアプリケーションラボにお客様をお呼びし、プレゼンテーションを行いました。 また、最近設置したProteoxS希釈冷凍機も紹介することができました。 ProteoxSは、より多くの学術機関や研究室が利用できるように小型で扱いやすく設計されており、低温・高磁場物理学研究の可能性を大きく広げます。

弊社は、量子分野におけるコラボレーションとイノベーションの促進に取り組んでいます。 先進的なソリューションの開発からネットワーキング・イベントの開催に至るまで、私たちは、量子の活気ある場所としてのラボが活用され、優秀なチームメンバーと共にお客様にシステムをお届けし、サポートできることを誇りに思っています。


A Tokyo takeover

量子テクノロジー・セミナーは、量子物理学者だけのためのものではありません。 報道関係者、量子ビジネスの機会を探っている民間企業、研究者など、多様な参加者が集まりました。 このセミナーは、量子技術愛好家たちが一堂に会し、量子技術の実際の応用や開発について探求する場となりました。

参加者は、電子顕微鏡検出器、原子間力顕微鏡、卓上NMR、卓上共焦点顕微鏡、新しいProteoxS希釈冷凍機など、アプリケーションラボの機器を見学ツアーにも参加しました。 これらは革新的な技術を応用した装置であり、すべて普通のオフィスビル内で稼働しています。

ProteoxSは当社の最も小型な最新型の希釈冷凍機で、 一般的な物理研究、量子テクノロジー、光学アプリケーション等の、量子コンピューティングのスケールアップを目的とせず、高磁場や低温環境を必要とするお客様に適しています。少数の超伝導量子ビットを研究されるお客様や、磁場を必要とするスピン量子ビットで、マグネットを昇温せず迅速に試料交換可能な許取得済みボトムローディングを必要とされるお客様にも適しています。

Proteox in Data centre

可能性の限界に挑むパートナー

メーカーとしての私たちは、お客様の声に耳を傾けることを心がけています。 お客様の創意工夫が私たちのイノベーションを刺激し、お客様の成功が私たちの情熱に火をつけます。弊社は製品を作るだけでなく、パートナーシップを育んでいます。 私たちのツールを使って可能性の限界を押し広げようとする人々の声を増幅させることほど、エキサイティングなことはありません。

OQCとQuantum Machinesは、現在日本での事業拡大を進めているパートナー企業です。 OQCのシニア量子エンジニアであるトッド・ティルマ博士とQuantum Machinesの井上博之博士は、両社の最新システムの際立った特徴と、量子コンピューティングの分野に卓越した利便性をもたらした一例を紹介しました。Quantum Machines社はOPX量子ビットコントローラーのデモを行い、その迅速な導入と革新的な設計を披露して参加者に感銘を与えたに違いありません。

OQCは、日本の著名な物理学者である湯浅俊子氏にちなんで命名された、32量子ビットの超伝導量子コンピューター「Toshiko」のリアルタイムパラメーターを紹介しました。東京のデータセンターで稼働しているToshikoは、量子コンピューティングにおける大きなマイルストーンであり、現在、卓越したレイテンシーと忠実度を実現しています。


データセンターの重要性

また、量子コンピュータをデータセンターに設置することの戦略的重要性を強調し、消費電力、研究予算、計算能力に関する課題に取り組んでいます。このアプローチは、古典計算と量子計算の統合を促進し、実世界のアプリケーションにおける量子の優位性の開発を加速させる可能性があります。OQCは、すでに東京のオフィスからわずか10キロメートルしか離れていないデータセンターにToshikoシステムを設置しています。

また、重要なITインフラをデータセンターに収容することは、高度で信頼性の高い安全なデータ管理機能を活用しながら、中核業務に集中することができるため、企業にとって極めて重要であることが証明されています。

しかし、そのメリットはアクセシビリティやより合理的な業務処理だけではなく、より多くの人々が量子コンピュータにアクセスできるようになることで、試行錯誤が可能になり、絶えず技術開発を行うことができ、常に改良が加えられることにあります。データセンターに量子コンピュータを設置することで、成熟した量子インフラと、それがもたらす変革のチャンスに一歩近づくことができるのです。


トレーニングとサポートに活用される弊社ラボ

私たちの理論や技術を継続的に検証し、その結果をより広範な科学コミュニティと共有することは、この取り組みにおいて不可欠です。だからこそラボやトレーニング、そして今回の東京セミナーのようなセミナーを通じて、私たちの技術にお客様が容易にアクセスできる環境を構築してゆきたいと考えています。

私たちのアプリ・ラボには2つの目的があります。 第一に、イベントを開催し、包括的なトレーニングを提供することで、ユーザーが機器の性能を最大限引き出せるようにすることです。このトレーニングは、極低温システムの構築や設定に不慣れな方にとって特に価値のあるものとなるでしょう。 第二に、大学生に研究機器を紹介することを目的としています。この経験は、彼らの教育経験を向上させるだけでなく、装置産業における潜在的なキャリアパスも照らし出すでしょう。学術的な学習と実践的な応用のギャップを埋めることで、次世代の科学者やエンジニアにインスピレーションを与えたいと考えています。今後もお客様に魅力あるセミナーを計画したいと考えています。