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量子ミイラ・リターンズ

量子ミイラ・リターンズ

Matt Martin

ユニークな ProteoxQX の模型が、オックスフォードシャーにある当社の工場内で展示されています

エジプトにあるミイラのガラス彫刻と当社最大の希釈冷凍機、さらにクリエイティブなマーケティングチームが手をとりあったら何ができるのか。それは、オックスフォード・インストゥルメンツの Proteox シリーズの最新モデル ProteoxQX の8フィートの彫刻でした。この模型が当社工場内で展示されるにあたり、私はこの模型誕生のストーリーをブログの読者と共有し、この模型に命を吹き込んだデザイナーやエンジニア、アーティスト、物理学者といった関係者に深く感謝したいと思っています。


ProteoxQX は当社にとって極めて重要な目標です。大型の Proteox システムについてのディスカッションは、当社ユーザーの方々と密接な協議を重ねながら始まりました。幾度となく行われてきた話し合いの中で、スケーラビリティ、機能性、操作性、柔軟性といったいくつかの優先事項が浮かび上がってきました。それらのニーズを満たすため、ProteoxQX は高さ 3 m、幅1.5 mを超のサイズとなり、ユーザーの方々が容易な接続を行えるようなモジュール式の設計が採用されています。ドアを開け放ち、シールドを外すと、1つのチャンバー内に巨大なスペースが出現します。

今年の APS (アメリカ物理学会) において ProteoxQX を展示したい、このスケール感を伝えられる 3D の何かが必要だと考えました。デザインを進めていく過程で木製の模型を作製したのですが、サイズ感の表現は合格点でも私たちの求めていたものとは大きく違ったものになっていました。理想を求め、数か月間も展示モデルのアイデアやデザインが行き交うことになってしまいました。

ある夏の日、私たちは英オックスフォードで開催されたイベントに参加し、チームメンバー数人が夕食前にアシュモレアン博物館を訪れたことがありました。展示品のひとつに、アーティストのアンジェラ・パーマーが、2000 年前のエジプトのミイラをガラス板にスケッチして立体図として再現したものがありました。ミイラの周りを歩くと、さまざまな角度や視点からミイラを見ることができるものでした。そのミイラから強いインスピレーションを受け、25 枚の 6 メートル角のアクリル板に描かれる ProteoxQX のアイデアが生まれました。

Proteox QX

自称技術者である私は、多くのエンジニアと同様、他の分野からヒントを得て、デザインに反映させるのが大好きです。アンジェラ・パーマーの仕事の精密さは、ProteoxQX システムの設計に注がれたこだわりを表現するのに最適でした。このチームのデザイナーは、60%の縮尺で模型のレプリカを作りました。アクリル板にエッチングされたCAD デザインは、実物に基づいたものです。上部の台座は実物どおりの色です。また、 ProteoxQX のユーザーが利用できる試料空間ですが、これも表現されています。


この模型は APS において、見事に来場者の足を止めることに成功しました。当社の工場では、この模型が新製品を生み出す次のステップにインスピレーションを与えるという重要な役割を担っています。これは、エンジニアリングに不可欠なチームの努力と創意工夫、そして創造性の証なのです。